ホーロー加工とその特徴
- HOME
- ホーロー加工とその特徴
一般ホーロー
ホーロー用鋼板の用途に適した釉薬を塗布し、高温(約800度)で焼成。
1回焼成および、2回焼成仕上がりで、目的用途に応じ加工します。
1回 施釉焼成(直接1回掛け)
カラーホーロー用釉薬を直接、前処理済み鋼板に施釉焼成することで前処理がポイント。
長所:1回焼成で仕上がるためコスト面で優位であり、膜厚の薄い分耐変形性に優れる。
短所:使用できる銅板は、ホーロー用鋼板1回掛け用に限定される。
グランドコート1回 施釉焼成
グランドコート釉薬を前処理済み鋼板に施釉焼成し、仕上げ釉薬を掛けず仕上がりとする。
長所:低コスト。濃い黒、グレー、茶、ブルー色に適する。また耐熱性、耐熱衝撃性に優れる。
短所:耐酸性に欠ける。
2回掛け 施釉焼成
グランドコート釉薬を前処理済み鋼板に施釉焼成し、仕上げ釉薬を掛けず仕上がりとする。
長所:カラー対応が安易であり装飾や機能性に優れ、機器表装・器物に適合している。
(耐酸性、耐アルカリ、耐食性、対薬品性、他に優れている。また機器器物に適合する耐熱性、耐熱衝撃性を有する。)
短所:1回掛け施釉焼成品に比べ、コスト面で劣る。
耐酸ホーロー
耐酸性仕様を目的として造られた釉薬を使用。加工方法は一般ホーローと同じ。
ホーロー用鋼板に、目的に合った耐酸釉薬をグランドコート上、または、直接鋼板上に塗布し、高温(約800度前後)で焼成、目的用途に応じ加工する。
長所:耐酸性は基よりピンホールなどの欠点が出にくい。
短所:ブルー色に限定される(顔料添加で若干黒くできる程度)無理な着色は耐酸性を阻害する。
耐熱ホーロー
耐酸性仕様を目的として造られた釉薬を使用。加工方法は一般ホーローと同じ。
ホーロー用鋼板に直接1回で仕上がる耐熱釉薬を使用する。密着を落とさず特殊な添加物配合により耐熱性を向上されており、ガス器具やグリル、オーブンなど高温にさらされる部材に使用する。
長所:耐酸性は基よりピンホールなどの欠点が出にくい。
短所:ブルー色に限定される(顔料添加で若干黒くできる程度)無理な着色は耐酸性を阻害する。
鋳鉄ホーロー
基本的には鋼板ホーローと異なる点は素地の前処理である。詳しい加工方法については、ノーハウ性が高いため記載不可。
長所:熱伝導性が高く、保温性に優れている。
短所:重い(近年軽量化が進められている。)
ステンレスホーロー
鋼板の変わりに、ステンレス材の上に適した釉薬を施釉焼成するものです。
ステンレスの上に釉薬を焼付けることは大変困難です。(焼成による酸化膜が少ないため密着しづらい。)ステンレスの前処理は基本的には、材料表面をブラストして密着を得る。また、材質によってはホーローそのものができない場合がございます。
長所:ホーロー面がきれい(ピンホールや毛穴が出ない。)理化学機器や対電圧にも優れている。
短所:密着性が弱い。
アルミホーロー
アルミホーローは材質の特性上、ごく低温で焼成します。焼成温度は500~550℃程度で、釉薬は専用の低温釉薬を使用します。
長所:素材が軽く低温で焼成可能。
短所:ホーロー膜が軟らかく傷が入りやすく、片面外面ホーローしかできない。(器物)
グラスライニング
非常に厳しい腐食環境から、素地金属を保護する技術です。
優れた耐酸性を有する釉薬を厚くライニング役目があります。金属とガラスという異なるふたつの材料を複合させ、金属の表面改質を狙った材料です。その歴史はホーローの誕生であり、金属同士を複合させたクラッド鋼よりも古く、工業的に用いられる複合材料の中では最古の材料です。他の防食を目的とした材料に比べ、各種腐食環境に対し優れた耐食性を発揮し、経済的であるため現在も広く用いられます。
グラスライニングとホーローの比較
グラスライニング | ホーロー | |
---|---|---|
用途 | 反応機などの化学工業用機器、醸造用タンクなど | 各種ホーロー製品部品 |
素地金属 | 厚肉の鋼、鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼 | 薄肉の鋼、鋳鉄、鋳鋼、アルミニウム、鋼合金 |
主に要求される性能 | 高耐食性(特に耐酸性) | 美観、清潔性、耐候性 |
グラスの平均厚み(mm) | 1.2~1.5mm | 0.1~0.3mm |
検査方法 | 高電圧ピンホール検査、目視検査 | 目視検査 |
JIS規格 | JIS R4301 |
お問い合わせ
TEL 072-484-1500
FAX 072-482-6135
新規様のご依頼も随時承っております。
新しいホーローの開発や、共同開発をご検討の際にも是非、ご連絡ください。